長髪のインドのヨーガ行者が道場の自室で祈っています。
行者の無言の祈りの真剣さをあなたが感じたなら、彼の深い誠実さをつゆほども疑いはしないでしょう。
彼はヒンドゥー教徒で、新約聖書に光を投げかけてくれるよう全身全霊で祈っています。
彼は聖なる真実を渇望する人々に叡智を教え広めていけるよう、 長きにわたって謎に包まれてきた言葉の真の意味を明かしてくださいとイエスに祈ったのです。
不屈の努力と清らかさと心からの霊的な願いによって、奇跡的な尊い報いが得られました。
部屋が青い光で満たされ、気高く若い光で満たされ、 気高く若い光輝く姿のイエスが行者の前に現れて、話しはじめたのです。。。
祈りの力を活かす リチャード・ローレンス著より抜粋
パラマハンサ・ヨガナンダがスリ・ユクテスワのもとで修業し、アメリカへ伝導にわたったときの姿を描いています。
神を求めつづけ、アメリカに渡ったヨガナンダ
ヨガナンダは1893年 インド北西部の敬虔なヒンズー教徒の両親のもとに生まれました。
子供のころから、神への希求の心に満ちていて、グルを探しにヒマラヤに家出したほどでした。
様々なヨーガのグルのもとに出向いて学び、奇跡的なことを数多く目撃したことは、あるヨギの自叙伝に書かれています。
ヨガナンダは小さいときに、父親とともにラヒリ・マハサヤの弟子となり、クリヤの伝授を受けています。
学生時代に、直接のグルであるスリ・ユクテスワ・ギリに巡り合い、教えを受けます。
ヨガナンダはババジに会った時のことを、あるヨギの自叙伝に書いていますが、 彼がアメリカにわたるのは、ババジの意志であり、生まれる前から仕組まれていた彼のカルマでした。
スリ・ユクテスワはラヒリ・マハサヤのでしであり、ラヒリ・マハサヤはマハーアヴァター・ババジの直弟子です。
ユクテスワはヨガナンダと初めて出会ったとき、「ようやく会えた」と喜びました。
ヨガナンダも今生以前に、教えを受けていた師との再会を直観したと書いています。
ヨガナンダとババジの出会い
ヨガナンダが初めて講演をおこなったのは、アメリカへ向かう船の中です。
この時のエピソードがとても面白いものです。
講演を頼まれて演壇に上がると、頭が真っ白になり何もしゃべれなくなりました。
しばらく長い間、沈黙というか、しゃべることができないままの、髪の長いインド人に、やがて聴衆が笑いだします。
それですらすら話すことができたとあるヨギの自叙伝に、ユーモアたっぷりに書いています。
ヨガナンダがアメリカへわたるその直前に、ババジと会ったことはあるヨギの自叙伝に感動的な文章で書かれています。
物質主義のアメリカへ、ヨーガの深い叡智を伝えることが至難の業であることを彼は理解していました。
霊的な栄養失調の人々に、ただひとりで向かい合うことに、神の励ましが必要でした。
ヨガナンダは、旅立つ前のある朝早く、熱心に祈りを捧げました。
西洋の物質主義に自分のスピリットが溺れてしまわないという神の保証をいただくまでは、死んでも祈りをやめないという決意でした。
長い時間が過ぎたころ、戸を叩く音がして、ひとりのヨーガ行者が入ってきました。
その人こそ、マハーアヴァター・ババジでした。
ババジは、ヨガナンダに祝福を与え、アメリカにわたるのは自分や神が定めたことだから、心配はないと伝えました。
ババジの容貌は、ラヒリ・マハサヤとよく似ていたと書いています。
ヨガナンダは1920年にセルフ・リアリゼーション・フェローシップを設立します。
ヒマラヤのクリヤが、はじめて世界に開かれる道ができました。
あまりにも有名ですね。
ヨガを学ぶすべての人に、いやすべての人類におすすめします。