シバナンダヨーガを創設したのは、スワミ・ヴィシュヌデヴァナンダです。
スワミはシバナンダの直弟子で、ミスターアーサナと呼ばれていました。
ヴィシュヌデバナンダはシバナンダの教えを広めるため、あるビジョンを見て、ヨーガ教師養成コースを創設します。
これがシバナンダヨーガ・ティチャー・トレーニングコースの始まりです。
スワミは自分の名前でなく、師であるスワミ・シバナンダの名を冠しました。
それが私たちが現在学ぶシバナンダ・ヨーガです。
ヴィシュヌデバナンダは南インドケララシュウに生まれました。
短い軍隊生活の後、「経験はどんな多くの議論にも勝る。ヨーガ、宗教、哲学を日々の生活の中で実践し、悟りを開きなさい」というシバナンダの教えを知り、衝撃を受け、シバナンダに会いにリシケシ向かいます。
この時、スワミは衝撃の体験をしました。
大勢の人に平伏されていたシバナンダは、ヴィシュヌデヴァナンダの足元に平伏したのです。
この謙遜な態度は、ビシュヌデヴァナンダにとって最初で最高の学びとなりました。
20歳でシバナンダ・アシュラムに入門した彼は、サンニャーシン(出家僧)となり、ヨーガ教師となり、インド人はもとより世界から集まる人々にヨーガを指導しました。
その10年後、1957年、ヴィシュヌデヴァナンダは、シバナンダより「西洋で人々が目覚めるために待っている」と指令を受け、アメリカにヨーガの教えを伝えるために渡ります。
1961年、カナダのモントリオールにシバナンダヨーガ・ヴェーダンダ・センターを創設します。
1962年、スワミはケベックの森の中にヨーガキャンプを作りました。ここが現在のシバナンダ・アシュラムの本部です。
300エーカーの広大な土地は、スピリチュアルなエネルギーに満ちています。
その後、バハマ、カリフォルニア、ニューヨークにヨーガの拠点を作りました。
インドにも、ケララにダワントリ・アシュラムを(現在のニヤダム・アシュラム)、ヒマラヤの麓のウッタラカシにもシバナンダ・クティールと呼ばれるアシュラムを作りました。
スワミは、戦争や悲しみを世界からなくすためにはスピリチュアルなリーダーを育成する必要があるとのビジョンを見ます。
自分を律し、心の外側では泣く内側に平和を感じるヨーガの方法こそが、世界を救うと感じていました。
そうして1969年、シバナンダヨーガ指導者養成コースをはじめました。
これこそ、現在のシバナンダヨーガTTC(ティーチャー・トレーニング・コース)です。
シバナンダヨーガTTCは世界中で行われ、またインドには世界から多くの人がヨーガの神髄を学びに訪れています。
ヴィシュヌデヴァナンダは活動的で、ユーモアにあふれた人柄でしたが、面白い逸話があります。
彼が初めてアメリカの空港についた時、当時でしたからターバンを巻いた奇妙なインド人の入国を止められます。
彼は、ヨーガを伝えるために来た旨伝え、大勢の人が見ている前でヘッドスタンドのポーズをして、入国を許可されたということです。
彼は後年こう語っています。
「グル・シバナンダが私に触れ、直感を目覚めさせてくれた。このことで、過去生からのすべての知恵が一気に私に戻ってきたのです」
スワミ・ヴィシュヌデヴァナンダは1993年11月9日永眠し、その体はガンジス川に浸されました。
これをジャラサマディといいます。