人間の体は、ミクロコスモス、宇宙の縮図です。
宇宙にあるものは、必ず私たちの体の中にもあります。
クンダリニーは原初のパワーです。
シヴァ(サハスラーラ・チャクラ)は神聖な意識です。
このふたつがひとつに繋がると、意識が拡大し、スピリチュアルなさまざまなことを経験します。
クンダリニーとは
クンダリニーはとぐろを巻いた蛇に例えられます。
宇宙の、太古の根本的なエネルギーで、ムーラダーラ・チャクラ(尾てい骨のあたり)で眠っています。
サーベントパワー(蛇の力)とも呼ばれて、霊的なエネルギー、電気的なパワーを持っています。
ムーラダーラにある時点では、まだ眠っている状態で可能性です。
しかしその可能性は無限に近く、宇宙の本来のパワーです。
クンダリニーの覚醒
クンダリニーが目覚めると、背骨のスシュムナーを登っていきます。
このとき、蛇のようなシュッシュッという音をさせながら、背骨をらせん状に(蛇のように)上昇します。
「蟻が這うような」感覚と、ヨーガの熟練者は言います。
クンダリニーが目覚めても、いきなりサハスラーラ・チャクラに到達するのではなく、ゆっくり下からチャクラを開放させながら上って行きます。
お臍のマニプラから眉間のアジニャまでが大変で、時に下のチャクラに下がってしまうこともあるといいます。
中にはジャンプしながら一気に駆け上る場合も、ジグザグに荒々しく上昇することも、穏やかに静かに登ることもあるそうです。
クンダリニーが上昇するとき、熱がでたり、いろいろな一時的な体調の変化があるときがあります。
これはカルマが浄化されている一時的な状態です。
また、直観や神聖なビジョンを見たり、体が宙に浮くような感覚や、ものすごいパワーが自分の中から湧きでる感じなど、いろいろな経験があるようです。
この本は、実際にクンダリニーが覚醒した時の生々しい経験が書かれています。
クンダリニーを覚醒させるには
クンダリニーは、その準備ができたときに、智慧が与えられ、自然に目覚めます。
無理に目覚めさせようとするのではなく、心の浄化が最も大切なことです。
そしてクンダリニーの覚醒のためにできることがあります。
奉仕
これはカルマ・ヨーガにもつながります。
宇宙や社会、他者に奉仕することは、スピリチュアルな浄化のために一番優れた方法です。
宇宙のサイクルを動かしているのは、”愛”です。
人も鳥も花も、太陽も地球も、この愛が顕現したものでしかありません。
奉仕することは、愛の波動を生みだし、延長し、共有します。
奉仕することで、エゴを少しずつそぎ落とし、本来の自己(ホーリースピリット)に気づき始めます。
その時、クンダリニーは目覚めます。
ヨーガ
アサナ、プラーナヤーマ、瞑想などを実践します。
ヨーガは熱を生みだします。
この熱がスシュムナーを浄化して、クンダリニーが上昇する準備ができます。
体と心を浄化して、鍛えることは現実の世界を生きる上でもとても役に立ちますね。
心のコントロール
スワミ・シバナンダは、「思考は波動である」と断言しました。
思考が純粋で力に溢れていれば、心も同じ波長に同調します。
思考が荒れて乱れていれば心もそうなります。
自分の考えや、言葉、行動は何らかの波動を生みだしています。
波動が絡み合って、宇宙はあります。
奉仕は、現実的な行動だけではありません。
思考を純粋にしたり、祈り、感謝などは波動をよくして、結果、宇宙へ貢献していることになります。
宇宙が進化することは、ホーリースピリットの計画だからです。
思考を変えれば波動が変わります。
波動の浄化はクンダリニーの覚醒を助けます。
クンダリニー・ヨーガ
クンダリニー・ヨーガはハタ・ヨーガの上に位置しています。
クンダリニー・ヨーガは、クンダリニー・シャクティ(クンダリニーの力)を覚醒させルことを目的としています。
ムーラダーラに眠っているクンダリニーが覚醒すると、背骨のスシュムナー(エネルギーの管)を通ってチャクラを開きながら上昇して、頭頂のサハスラーラ・チャクラに達します。
そこでシヴァ(サハスラーラ・チャクラ)とシャクティ(クンダリニー)はひとつになります。
この覚醒から上昇、チャクラの解放、融合までのテクニックがクンダリニー・ヨーガです。
クンダリニー・ヨーガはハタ・ヨーガの一部の瞑想や、バンダ、アサナなど、その準備になる行法がたくさんあります。
*クンダリニー・ヨーガは、独学でやらないでください。
適切な先生の元でゆっくり時間をかけてするものです。
まずはアサナで背骨を柔軟に鍛えること、瞑想を実践すること、愛を延長すること、今を生きることなどを実践することです。
インドのことわざに次のようなものがあります。
「準備ができたとき、グルは現れる」
クンダリニーのパワーはものすごいので(ものすごいらしい)、まだ準備ができていないのにクンダリニーを上昇させることは、細い電線に何万ボルトもの電気を流すようなものです。
個人的にはSRFのクリヤヨガを学ぶことを強くすすめます。
クリヤヨガについて